〜 小児科医 〜

 全国的に小児科医の減少が進む中、特に本県は小児科医の数が全国で最も少ないとされ、親にとっては深刻な問題です。今後、どうすれば良いのでしょうか?

 専門医のいる大病院の方が開業医よりも高度な医療を提供しているから軽い病気もよく診てくれるはずと考えるのは、いわゆる「大は小を兼ねる」という発想です。しかし、大病院では多くの患者さんを限られた時間とスタッフで診療するため、重い病気の患者さんに重点を置かざるを得ないのが現状です。

 ある救命救急センターの小児科医から聞いた話です。冬のその夜はインフルエンザの患者さんが多く外来が非常に混雑していて、てんかんが止まらない小児とインフルエンザ脳症で意識不明の小児がそれぞれ救急車で搬送されてきたためにその治療と入院処置に忙しく、外来患者を1時間近く待たせてしまいました。その中に朝から症状があり夜になって39度近く発熱した小児を連れて来院していた若い父親がいて、いきなり胸ぐらをつかまれて「なんで救急センターなのにすぐ診てくれないんだ」と怒鳴られ、警備員が止めに入ったことがあったそうです。

 また、大病院では曜日によって担当医が異なったり転勤で異動してしまったりして、患者と医師との信頼関係が築きにくいことや、医師の側も年単位の長期の治療計画が立てにくいなどの問題もあります。専門性の高い医師が有能というわけではなく、家庭医と専門医では守備範囲も違います。ですからまず「かかりつけ医」を持ち、必要に応じて専門病院を紹介してもらうことをお勧めします。紹介状を持参した患者さんの場合、後で病状経過を紹介元に文書で報告できるような診療や対応も行われます。

 前もって口コミ情報などで探し、子供の風邪の時などに受診してみて話しやすい雰囲気かどうか確かめてニーズに合った「かかりつけ医」を見つけて下さい。

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